荻窪風土記
「井伏鱒二の荻窪風土記」なつタイトルのNHK特集が再放送されていた。
開高健も出演して話をしているというので見た。
お二方も古典作家のように感じていたが、
話している姿や内容を見ているといまでもそこで生きているようだ。
開高健は50となり書けなくなったという。
あんな大作家でも書けないんだってさ。
きれいになりすぎて意欲がわかない、と。
どうすればよいのかと齢85の井伏鱒二に問う。
「かけ」と一言。あいうえおでもよいから書きなさいと。
おしゃれできれいになって書けなくなった開高健と仙人のような井伏鱒二が面白かった。最近まで生存していた大作家。部屋の隅っこを探せば黒い雨の文庫があるかもしれない。ちょっと読んでみたいなと、青空文庫を探してみたが、太宰関連のものしか引っかかってこなかった。面白いよな、この関係性。
NHKが庶民からお金を集めて成立しているなら、放送時間にかかわらず、もっと良質の映像記録を残しておくべきだし、放送してほしい。今を生きている人の考えや個性を残せ!それでこそNHK。きっとそうだ。