HUROK / LOOP
時をかけるおっさん。
ハンガリーの作品を言語で見る。
大抵の場合、過去に戻った自分は自分と会えないのだが、
この作品は違う。
会う、
そして、話す、
さらに、
(以下ネタバレなので)
何度も繰り返す自分の人生を正しくやり直すために、
過去の自分を殺すって、斬新だった。
代紋TAKE2のように過にもどってそれからの人生をいいように生きる物語は何度も見てきた。BTFのデロリアンで失敗しても何度も戻ってやり直す物語もいろいろみた。
しかし、過去の自分をなくすとは、驚いた。
過去の自分と今の自分は別物った立場なのですね。
その別の自分が同じ次元に生きている。
もう何がなにやらどんぶり勘定。
他人はかぶっていかない、自分だけ。
理詰めでは出てこない発想、素晴らしい。
また、ラストも秀逸。
やっとLOOPから抜け出せたと思った主人公に現れるパン。
多分少し離れた席にはパンをもった自分が座っていたのだろう。
拍手喝采。抜け出せないのだ。
彼女の呪いといってよい。
すべては∞マークを描く彼女のせいなのだから。
物語を面白くする要素は常識から外れたところにある。
当たり前の少し当たり前じゃない部分に疑問を持つことが大切。
金がないと本当に生活できないのだろうか。
楽しくないのだろうか。
楽しく人生を全うするのに、苦しみばかりいじめばかり受けるのは正しいのだろうか。
学校はだれのためのものだろう。
言葉がなければ仲間になれない。
声が出なくても言葉は必要だ。
チャンスは与えてあげよう。
いじめられたまでそこにとどまる必要があるのだろうか。
LOOPすればいいじゃないか。
50歳と51歳はそんなにかわりはない。
17歳と18歳は大きく違う。
ような気がするだけで、すぐに、22歳23歳ほどしか違わなくなる。
友達だって、いらないし。
人間として楽しく生きることが分かればそれで十全。
親不孝上等、恩知らず上等。
それが人として正しければ十全十全。
なにも自分自身を縛るものはないのだから。
身内の笑顔が私の幸せ。
人に役立つことで存在意義を見出せるならそれも結構。
偽善といわれても、自分のためなら十分だ。自分を偽っていない限り。
自分のためだけにマスクを買いだめする日本。
すべて自分のため。
いまこそLOOPが必要だ。
もどって過去の自分を消してしまおう。